箕輪 義信

新しいチカラを求めてパーソナルトレーニングへ

箕輪 義信

吉田 箕輪さんとのお付き合いは長いのですが、初めて出会ったのは、現役Jリーガーだった2000年ですよね。

箕輪 そうですね。あるスポーツ選手に吉田さんを紹介していただいたのがきっかけです。

吉田 はい、会社に勤めていて、まだPCPを設立する前でした。

箕輪 当時、サッカー界でパーソナルトレーナーをつける選手はいなかったと思います。
それでも吉田さんに頼んでやってもらった理由は、自己トレーニングに限界を感じたからです。誰かに新しいチカラをもらわなければ、肉体改造ができず、このまま終わってしまうんじゃないかと。切実に、誰かに助けてほしかったんです。

吉田 初めて会ったときに、箕輪さんが「日本代表になりたいんです。J2ですけど」と言われて、「えっ! J2の選手でも日本代表になれるんですか?」と思わず真顔で聞いたら怒ってましたね。

箕輪 本気でしたからね。でも、おかげでトレーニングによって自分の体の稼働エリアが広がったというか、結果的にはプレーの幅が広がりました。

吉田 筋肉のバランスに偏りが生じていましたね。でも、メンタルは非常に強いので、ハードなトレーニングも手を抜かずにこなして、こちらも刺激を受けました。

箕輪 サッカー選手が現役でいられる期間は短い。その中でどれだけやりきれるか。厳しいトレーニングをあと一回、もう一回とやっていくうちに、さらにメンタルが鍛えられて自信がつきました。やはり、自分に勝つことが大事なんだなと。おかげさまで、その後、日本代表に選ばれました。

箕輪 義信
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子どもたちのフィジカル向上という使命

吉田 箕輪さんが引退されて教員になってからも付き合いは続きました。選手のときも熱い方でしたが、先生になっても熱い。常識破りなところも変わりませんね。

箕輪 ジーパンで教員研修に参加したりね(笑)。校長先生に怒られちゃったな。でもね、次の世代を担う子どもたちを育てたいという想いはずっと持っていたんですよ。

吉田 僕もそうです。共通の夢を持っていますよね。

箕輪 でも、実際に教員になって戸惑ったことは、生徒や親御さんのスポーツに対する意識です。スポーツをやって何の意味があるの? 公立高校なんだからそこまで力を入れなくてもいいのでは?なんて言われて、こちらも熱くなって、いろいろ説得をしました。

箕輪 義信

吉田 大人もそうですが、いまの子どもたちは総じて運動不足です。サッカーチームに入ってやることは技術的なことばかりで。スキルアップのための練習よりも、まず人としてのフィジカルな面を鍛えなければいけない。体ができていないと限界はすぐ来てしまいます。

箕輪 そうですよね。吉田さんが言うように、筋力アップではなく、人として動くという感覚そのものを向上しなければなりません。

吉田 箕輪さんとはいままでいろいろな話をして、箕輪さんはサッカーで、僕はトレーニングを通じて、人間形成を含めて子どもたちのフィジカルの向上をしていく。そして、その先に世界で活躍できる選手が生まれるといいなと思います。

箕輪 そうなるために、今回頼んだサッカー部員たちへの「チーム指導」には期待しています。

走った、飛んだ、鍛えた経験が40年後に活きてくる

箕輪 義信

箕輪 僕の強みはプロサッカー選手としての経験であり、その中で多くの人とのつながりもできました。そう考えたときに、チーム指導は、やはりトレーニングのプロである吉田さんに頼むしかないと思いました。

吉田 いまは土台作りの段階。これから本格指導をするよう準備を進めています。

箕輪 僕は体づくりにおいても経験を重視したいのです。たとえば、いまは誰でも「体幹」という言葉を使うけれども、その本質を理解して、実際に鍛えている人は少ない。経験していない教員が「体幹の使い方」を教えるのは無理です。サッカーにしても、実は曖昧さが必要なスポーツなのに、経験がない人が教えると断定的にイエス・ノーで教えてしまう。

吉田 情報化社会なので、トレーニングのやり方もネットで簡単に検索できてしまいますよね。経験がなければ、机上の空論です。

箕輪 人の体は20歳まではグンと体のポテンシャルを上げていって、そこから緩やかに落ちながらも、維持していくことが大切だと思うんですよね。

吉田 はい。そこは「パフォーマンスアップで日本を元気にする」というPCPの理念も同じです。

箕輪 40年先を考えて、今の若い子たちには思いっきり走って、思いっきり飛ぶことをしてほしいと思います。

吉田 私も同じ思いです。今日はありがとうございました。

箕輪 義信